洋服屋らしくない、洋服屋
最近はメルカリばかりで洋服屋さんに行く機会が少なくなったなーとか、そもそも洋服のお店に行くのがちょっと苦手だとか、特にはじめて行くお店だと無駄に緊張して店員さんに話しかけられると「ヒィッ!」って謎の声が出てしまって買い物どころじゃなくなるなんてことはありませんか?
そんな「洋服屋って全般的に苦手〜」な方々はぜひいちど、代々木上原の「カラアゲ」に足を運んでみましょう。
場所は、代々木上原駅前の通りから1本入った路地にある、黄色い建物の1F.(MAP)
お店の正式名称は「Color at Against」(カラーアットアゲインスト)。
オーナーの高橋優太さん、通称:カラアゲおじさんは「洋服屋なのにあまり洋服の話をしない」で有名です。
代わりに何をするのかというと、雑談です。アゲアゲな雑談。だけど聞けば、洋服の話もちゃんと教えてくれます。
今回は「Color at Against(カラアゲ)」を訪れて、「そもそもどんなお店なの?」「なぜ代々木上原に?」といったことや、季節はいよいよ夏!ということでこれから着たい夏服の話を伺いました。
はじめは「トンカツ」と呼ばれるお店にしようと思っていた
ーColor at Againstって、「カラアゲ」って呼ばれるためにつけた名前なんですよね?
そうなんす。いかにも洋服屋さん!みたいな名前にはしたくなくて。はじめは略して「トンカツ」になる言葉を探してました。
ートンカツ!どちらにしても揚げ物ですね。
おいしいですからねトンカツは。でも、英語で「トンカツ」に近い言葉って思いつかなくて。そういえば、唐揚げのほうがよく食べるなぁ、と考えてるうちにこの名前を思いつきました。
ーカラーアットアゲインストって、なんだかいい響きです。
そう、色に対してアゲインスト的な。意味はあるようでないですけど。
ー高橋さんって、美味しい唐揚げつくってくれそうな佇まいですよね。
ここって唐揚げ屋ですか?と問い合わせがあったことも1度や2度ではないですね。居酒屋っぽい顔なんすよね。
ーこれまでの経歴としては、〈ステューシー〉だったり有名なショップで働かれていたとか。
ですです。〈ステューシー〉のあとは、原宿の某ショップで働いていて、次にここです。お店はいま5年目ですね。
ーとなると「カラアゲ」をオープンしたのはいくつのときですか?
27歳ですね
ー若い!
もともと上下関係があんまり得意じゃないので、、
ー独立するにあたって、どういうお店をつくろう、など思い描いていたイメージはありますか?
全く計画性もなくて大雑把なスタートで、とにかくまわりの好きなものを集めてみようと。流行り廃りは関係なく。
ー好きなものを集めてお店ができるってすごくないですか?
〈RWCHE(ローチ)〉ってブランドをやっている同級生がいて。10代の頃から飛び抜けてセンスがいい奴で、彼に少し手伝ってもらっている形なんです。独立するにあたって、その〈RWCHE〉を常に置いておけるお店をつくるって目的もあって。ブランドをやる以上は、彼もフラッグシップストアみたいなのがあればいいなってのと、僕も休みこれでもらえるなって思って(笑)。
ーでは「カラアゲ」が一部その役割を担おうと。
そうですそうです。
ーその他、お店にならんでいるもの、すなわち高橋さんが好きなものというのはどのようなものなのでしょう?
もともと10代のころからスケートだったり、ストリートカルチャーが好きなのと、お店はじめてからはアウトドアも好きになって、いまはざっくりストリートとアウトドアで半々くらいですかね。
ー看板に「オールド&ニュー メンズアンドレディース クロージング」と書いてありますね。
7~8割が古着で、あとはオリジナルや〈RWCHE〉〈BEDLAM〉〈SON OF THE CHEESE〉などの新品が2~3割くらいです。
ーレディースも置いてあるのですか?
基本はメンズなんすけど、古着とかも、女の子が着ても良いのではなかろうかと思えるものを仕入れてます。今だと1ラックだけ、「気まぐれレディースコーナー」もあります。
ーいろんなものがあって楽しげです。
自分が服を買いにいくときも、いろんなお店をまわるよりもひとつのお店をじっくり見てまわりたい派なので、ここもそうなるといいなと思ってるっすね。
3000種類以上のゲームで遊べる
ーあとこのゲーム機、めちゃくちゃ気になります。
これ、現役バリバリで、3285種類のゲームができるんすよ。
ー3285種類! あ、ストリートファイターだけでも10種類以上ある、、こんな夢のようなマシンがあるんですか。
ふつうに、仕事終わりにゲームやりにきてるひともいますね。
ーおすすめのゲームはありますか?
自分のお気に入りはみなさんご存知の、、ああこれこれ、「エキサイトバイク」っすね。
ファミコン世代が悶絶する懐かしさの「エキサイトバイク」
な、懐かしい〜〜〜!!!!
ーこのゲームがある周辺は特に「いろいろある」感じですね。ノージャンルというか。
このあたりは、〈RWCHE〉の後藤がセレクトしてるんですよ。
くじ引きもできる。1回200円
500円〜とお手頃なシールはお土産?としても人気
「お金を持っていなさそうな人の格好がすき」
ー好きなものとか洋服のジャンルって一括りにするのはむずかしいですが、お店で取り扱われてるものの共通項ってありますか?
むかしから、お金を持ってなさそうな人の格好が好きですね。映画『カリフォルニア』に出てくるブラピとか、『パーフェクトブルー』のパトリック・スウェイジとか。やさぐれてて、ちょっと汚れてるぐらいがかっこいいなーって。
ーほおお〜
ほぼ東京では見かけないとおもいますけど、雑誌など一切読まず、何も調べず、洋服も高校ぐらいから何も買ったことない、みたいな人が着てる服がいちばんかっこいいですね。
ー流行って何?ぐらいの感じの。
10年ぐらい同じ服を着続けてる人とか、まわりからバカにされるような格好でも、スタイルが出てれば超いいなって思います。
ーあの棚の上の人形も気になります。
まさしくあれも、「お金持ってなさそうな人」の代表的アイコンっすね。「CHEECH and CHONG(チーチ&チョン)」って映画のコンビなんですけど。キャラクターが超やばくて、大好きなんですよ。
レジの後ろに貼ってあるポスターは「CHEECH and CHONG(チーチ&チョン)」のもの
ー知らなかったです。チーチアンドチョン。
日本ではNGなことが全面に出てくる映画なので、日本では公開されてなくて。DVDもでないし、NetflixやHuluでも配信されてないです。海賊版のDVDとかをみんなゲットして。はじめてみたときは字幕もなにもないやつで。ニュアンスだけ。でもノリだけで笑えるので。超いいっすね。結構幅広い世代で好きなんじゃないですかね?
ーめちゃくちゃ気になります…!日本でいうと作品としてはどういった立ち位置なんでしょうか?
あくまでも僕個人の主観ですが、例えるならば「釣りバカ」とかですね。主役ふたりがどっちもバカバージョン。認知度でいうと、クレヨンしんちゃんとかドラえもんとか。それはいいすぎかな、、
黄色い建物に一目惚れ
ーなぜ代々木上原でお店をやろうと思ったのですか?
自分のなかで勝手に「これからおもしろくなる町」を代々木上原に定めたんです。上原は立地と雰囲気で最高だったんで。
ーここ1〜2年で古着屋さんや洋服屋さんが増えているようですが、5年前だとそういった動きはまだなかったですよね?
そうっすね。当時は中野に住んでいて、原宿に通っていたので、その通り道ということもあって。通いやすさも含めてですね。
ー物件探しもスムーズに進みましたか?
絶対に1Fの路面店で、目の前でBBQできそうな場所がいいと思ってて。人通りは全然ないですけど、建物の黄色の感じもすごくよくて、ここを見せてもらってから即決でした。
ー結果、どうですか?上原は。
最高ですね。ゆるやかな感じもいいし、安くてウマい飲み屋さんも意外とあったりして。
ー行きつけのお店ってありますか?
「民屋」さんは、この5年間で結構使ってるんじゃないですかね?常連です。
ーあ、「串カツ居酒屋 民屋」さんこないだ行かせてもらいました。
いいですよね!あと白龍はいきました?
ーまだです!
あそこのロース生姜焼き定食は食べとくべきっすね。夜7時くらいにいくと、小学生くらいの息子さんとその友達が何人かでカウンター占領して、漢字ドリルとかやってたりするのが超いいんです。
>>次ページ:アゲアゲな夏服と、できたばかりのアウトドアギアをご紹介!
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