2018年6月、代々木上原駅商店街沿いにオープンしたレコードブティック「アダルト オリエンテッド レコーズ(Adult Oriented Records、以下AOR)」。レコードの販売だけでなく、様々な楽曲を世に輩出するレーベルとしても機能するユニークなお店。そんなAORがオープン1周年を記念したイベントを8月31日(土)に開催!
■AORオープン時も取材させていただきました!■
イベントタイトルは「SHITSUDO 55%」。人が最も心地よいと感じる湿度が55%なのだそうだが、秋の気配を少しだけ感じる夏の終わりをまさに言い当てているようなイベントタイトル。
ライブアクトには、DorianとKashifを従えた一十三十一をはじめ、若干20歳の期待の新星・長谷川白紙、大阪の現役サラリーマンシンセバンドThe Oto Factory、そしてポップユニット Sugar’s Campaignなどなど。
DJには、FPMの田中知之さんをはじめ、流線形のクニモンド瀧口、ナツサマー、Kikiorix、ビームスレコーズの青野賢一さんなど、こちらもなんと豪華な面々。
今回は、当日のライブアクトとしても登場する一十三十一さんと、AORオーナーの弓削匠さんご本人にイベント前にしてお話を伺うことができた。
弓削匠(ゆげ・たくみ):アパレルブランド<YUGE(ユージュ)>のデザイナーであり、業界きっての音楽通としても知られる。またアーティストのMVディレクションやジャケットデザインも行うアートディレクター。「Adult Oriented Records」は一年も経たずして国内外問わず音楽好きが集まるお店に。
ー祝1周年おめでとうございます!
弓削:6月OPENだったので”約”1周年なんですけどね(笑)ありがとうございます。
ーアパレル業界でも有名な弓削さんがレコードショップをオープンされたと聞いたときは驚きましたが、きっかけは何だったんですか?
弓削:もともとここは<ユージュ>の服を取り扱っていた場所だったんですよ。ファッションディレクターだから必ずしも洋服という表現に囚われず、音楽やアート、ファッションとそれらがごちゃまぜに楽しめる洗練された場所を作りたかった。
ーそれがAORなんですね。
弓削:「アダルトオリエンテッドレコーズ」は、音楽ジャンル総称のひとつである「アダルト・オリエンテッド・ロック(Adult Oriented Rock)」に由来しているんですが、今回、1周年イベント「SHITSUDO55%」が開催される8月31日から<アダルト・オリエンテッド・ローブス(Adult Oriented Robes)>というファッションブランドをスタートさせます。“ローブス”は洋服の意味で、ますはTシャツからリリースします。
そうして近い将来は、“お酒やドリンクも飲めて皆が集まる部屋”として「アダルト・オリエンテッド・ルーム(Adult Oriented Room)」という形態へと段階的にお店のあり方を拡げていくつもりです。
ーめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか。
弓削:職人気質じゃないんで、基本的にファッションだけとか音楽だけとか興味ないんです。俯瞰で文化をみて、また新しいものを発信していきたいと思ってて。
ージャンルを飛び越えた空間として楽しくなりそうですね。
弓削:<ユージュ>で服作りをしている時から、複合的に楽曲のディレクションやアルバムジャケットのアートワークをプロデュースさせてもらっていて、そういう総合的で文化的に面白い場所を作りたいという想いは長年ありましたね。
ー弓削さんは一十三十一(ひとみとい)さんのミュージックビデオや、アルバムジャケットもディレクションされているんですよね?
弓削:2012年にリリースした「CITYDIVE」からでした。かれこれ7年。
一十三十一:7年!きづかなかった。長いね(笑)
一十三十一:弓削さんの描くストーリーから楽曲のインスピレーションをもらったり、ジャケットのアートワークもお願いしたり。あと、弓削号に乗ってミュージックビデオのロケにいったり。ね?
ー「弓削号」とは?
弓削:もう長らくいろんな楽曲を作っているから制作陣もロケスタッフもみんな一緒のメンツなんです。弓削号にみんな乗り込んで、海、山、崖、砂漠、大自然ツアーだよね(笑)
一十三十一:うん、毎回ミステリーツアー。「Snowbank Social Club」の北海道スキーロケでは立て続けに吹雪いてリフトが停止しまくったり、「Surfbank Social Club」ではキツキツウェットスーツの湘南ロケだったり。大自然の中の過酷なロケも、みんなの信頼関係でやり遂げちゃう。
ー素敵なチームですね!一十三十一さんの音楽のルーツを教えていただけますか?
一十三十一:かつて両親が「ビッグサン」という、ファミレスの先駆けみたいな西海岸風リゾートレストランを北海道で経営していて。パームツリーやネオンサインの看板とかそんなトロピカルアーバンなお店だったんですけど、遠方からお客さんが来るほど人気でした。そこで流れていた’70-’80年代のブリージンな音楽に影響されてますね。山下達郎さんだったり、大瀧詠一さんだったり。
ーそのレストランとても気になります!
一十三十一:もうとっくに閉店しているんです。今は下北沢で異次元系カレー屋さんを営んでいます。
ーえ、あのマジスパですか?(筆者も数ヶ月前に行ったばかりの有名店)
一十三十一:そうかもしれません(笑)きっと“エキゾチック”דアーバン”テイストは両親の影響が大きくあると思います。
ーなるほど。先日のマニラ公演も非常に盛り上がったとか。
一十三十一:はい。もうお客さんからのパワーがすごかった。約70分間、日本語なのに大合唱にもなったりで。前奏から大盛り上がりで、熱気がとてつもなかったです。
弓削:さすがだねぇ。この公演ももともとはAORに来てくれたお客さんがきっかけで決まったもんね。ハードディガー(レコードを掘りに掘りまくる人たち)なお客さんが「今、一番ディグりがいがあるのは日本だ」って言ってくれるんだけど、それくらい日本の楽曲が今改めて注目されてるよね。
ーそんな一十三十一さんの生歌が聴けるのが今からとても楽しみなんですが、一十三十一さんにとっての湿度55%な楽曲って何ですか?
一十三十一:んー、悩みますけどやっぱり、松任谷由実さんのアルバム「PERLE PIECE」ですかね。
ー「SHITUDO 55%」イベント当日は何を歌われる予定なんでしょう?
一十三十一:秘密です。湿度55%なの目指します!(笑)
ー楽しみです!是非、弓削さんからもお勧めポイントいただけたら嬉しいです。
弓削:まずは豪華なライブアクトメンバーとDJの面々だね。まだハタチになったばかりの現役音大生「長谷川白紙」くん、もちろんのこと「一十三十一」、「The Oto Factory」とか。とにかく来て欲しい。
弓削:湿度55%な音楽はもちろんだけど、丸山千博くんがやっている「Lanterne」がイベントのためだけに作ってくれる唐揚げとハイボールに、初台の「すし宗達」さんからお寿司のケータリングとか豪華に用意してるよ。
それになにより、このイベントのメインビジュアルを書いてくれた金安亮(@ryo_kaneyasu)くんのアート展示だね。日本での展示は初めてみたい。
一十三十一:今回の一周年を記念してリリースした12インチリミックスのアートワークも、金安亮さんです。
チケットの購入は会場である「OPRCT」のウェブサイトか、こちらPeatixチケットサイトから。
また、AORレーベルから発売となる長谷川白紙の7インチシングルも、イベント当日、チケット購入者のみに数量限定で先行販売されます。AサイドにはYouTubeでも話題となっている一十三十一による「草木」のカバー、AAサイドには⻑谷川白紙によるYMOの「CUE」をパソコン音楽クラブがリミックスした楽曲を収録という豪華な一枚。正式発売日は9月7日(土)。
さらには新ブランド<Adult Oriented Robes>のTシャツや、アパレルPRやプロデュースを手掛ける南貴之さんと共同デザインしたレコードバッグなど、レコード好きには気になるグッズ販売もあるそう。
心地よいライブ音楽とアートとハイボール(その他に諸々)と。極上の残暑を過ごす最高の空間になること間違いなしだ。
■ INFORMATION ■
EVENT「SHITSUDO 55%」
場所:OPRCT
住所:東京都渋谷区上原1-29-10(代々木上原駅より徒歩1分)
2019年8月31日(土) 15:00~21:00
adv 3,000yen / door 3,500yen
※入場時にワンドリンク600円をいただきます
※途中入退場、再入場可能です
※混雑状況に応じてフロアの入場制限をかける可能性もございますのでご了承ください
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