代々木上原といえば、この人!という人物の魅力に迫る連載企画【上原人物名鑑】第4弾。
今回は「Nigrec Design inc.」代表 / アートディレクターのNesco(ネスコ)さんにご登場いただきます。
丸山智博さんのお店「Gris(グリ)」や「AELU(アエル)」のロゴデザインを手掛けるほか、さまざまなブランドやメーカーから絶大な信頼を得ているNescoさんですが、そのパーソナリティやプライベートについてはあまり情報がなく、唯一わかったのは「料理人なのでは?」とネット上で憶測が飛び交うほど「手料理が上手」ということ。(本業関係ない!)
果たして、Nescoさんとは、どのような人物なのか?代々木上原との関わりや、その全貌に迫ります。
アートディレクターの仕事とは?
ー『AL』がはじまった当初から「代々木上原といえばNescoさん!」と至るところで名前が挙がっておりました。今回は丸山智博さんからのご紹介で、満を持してのインタビューになります。
ありがとうございます。ちーくん(丸山さん)からも少し話聞いてますよ。気づけば上原に拠点を置いて18年になりますからね。
ー18年!「ファイヤーキングカフェ」のオープンと同時期ですか?
僕が来たのが「ファイヤーキングカフェ」ができる1年前ですね。なかなか長いほうだと思います。
ーNescoさんの名前はよく伺うのですが、どのような略歴で、などの情報があまりなく「そもそも」的な質問をたくさんすると思いますが何卒よろしくお願いします。
ええ、何でも聞いてください。
ーいまアートディレクターとして、どのようなお仕事をなさっているのでしょうか?
Gris(グリ)とAELU(アエル)のようにロゴもつくりますし、カタログなどの刷り物やWEB、パッケージデザインもやっています。いわゆるグラフィックデザインから、企業のブランディング、撮影、動画制作など幅広くやらせてもらってますね。
もともとブランドをやっていたつながりで、分野としてはファッション系が多いです。
Nescoさんの会社「Nigrec Design inc.」のサイト。過去のWORKSはこちらから見れます。〈CA4LA〉や〈BIRKENSTOCK〉、〈HELLY HANSEN〉などの制作物はずーーっとNescoさんチームによるデザインなのです!
ー実際につくったものを見せていただいてもいいですか?
どうぞどうぞ。いわゆるカタログなど刷り物は一通りとってありますよ。定期的に制作している〈HELLY HANSEN〉のジャーナルなどは、読み物として面白いようにつくってありますのでぜひ持って帰っちゃってください。
ーこういったカタログやジャーナルは、編集の方と一緒につくっていくのですか?
いえ、編集も僕がやっています。
ーまじですか
内容そのものをどうしよう、というところから、ページの流れ、デザイン、印刷にいたるまで一通りやっていますよ。
撮影は小浜島や、星野リゾート「リゾナーレ」など実際にアクティビティスポットで行ったそう。「自慢できるキャンプ飯」企画では料理監修を丸山智博さんに依頼。
ー企画内容自体から立案して、ということですよね。いわば全部ですね。
そう、企画から立てて。なんでもやるんですよ。うちは制作全般やりますので、進行管理も含めて、会社でまとめてやっちゃいます。
ーアートディレクターって、いわゆる見た目やルックスを司る人だと思っていたのですが、Nescoさんは領域が幅広いですね。
もちろんデザインがベースにある上で、なんですけどね。いますごく面白いのが、広島にある100年以上続く金箔の会社「歴清社」の仕事です。ちょっと今、サイト出しますね。
ーほぉー
とっかかりとしては、コーポレートサイトをリニューアルしたい、という相談でした。歴史のある会社なので、いわゆる社長の挨拶や所在地の紹介、などだけではなくて、制作現場へ1歩踏み込んで取材したりとか、進行中のプロジェクトをレポートしたり、新聞的な役割を持たせるようにしたんです。
ーいやぁ、おもしろいです。
もう1歩踏み込んで、僕のほうからいろんなアーティストやクリエイターを紹介して、新しいコラボレーションをいくつか行っています。
たとえば、世界的に活躍してるネイルアーティストのHana4ちゃんや〈FACTOTUM(ファクトタム)〉とコラボレーションしたり、
FACTOTUM × 歴清社
〈CA4LA〉さんを紹介して金箔の帽子をつくったりとか、安野谷くんっていう若手のアーティストに金箔を使った作品をつくってもらって中目黒で個展をやってあげたりとか。
そんなことをちょこちょこ、ひとつずつ動画を撮って編集してUPしたり。
ーすべてNescoさんのつながりで人や企業を紹介して、新しいコラボレーション事例を一緒につくったということですか?
そうですね。
ーNescoさん、何者なんですか・・・!
こういった動き方は最近多いですね。カタログをずっとつくらせてもらっている〈HELLY HANSEN〉さんからは140周年のアニバーサリーに何かをやりたい、という相談がきたので、「Yogee New Waves」を紹介してコラボレーションアイテムを制作したりしました。
(〈HELLY HANSEN〉ブランド創立140周年記念サイトより)
ーこれ何かの記事でみて、いいなー欲しいなーと思ってました!
同じく140周年のイベントも全部ディレクションしたりとか。ほんとに何でもやってますね。自分でもよくわからなくなってます(笑)
(〈HELLY HANSEN〉ブランド創立140周年記念サイト パーティーレポート記事 より)
ー単純に制作物をつくるデザイン会社、では全くないですよね。ものすごく頼りになる相談役というか。特に人を紹介したりとかって、プライスレスな動きですよね。
それぞれのブランドとも長くお付き合いさせてもらっているし、ものをつくるだけじゃなくて、企画段階から関わらせてもらえるのは有り難いんですよ。なかなか内側の都合で外部を頼って、というのも難しかったりしますから。人を紹介したりとかは、金銭関係なく全然やりますね。
RELATED
関連記事