春がきたかと思えば、すぐに夏がやってきますね。めまぐるしく変わる季節。みなさんはもう「衣替え」は完了していますか?
慌ててクローゼットをひっくり返すと「あれ、去年買ったシャツ、もうヨレヨレじゃん!」または「今年のテンションとちょっと合わないかも…」なんてことがよくあります。
季節の変わり目にたびたび訪れる「これからの季節、着るものがない」状態。ああどうしよう…!
そんなとき、代々木上原には非常に頼もしいショップがあります。
近所に暮らす人々にとっての「マイ・クローゼット」的セレクトショップ「Burnish」。ここで、駆け込み的に「この春着たい服」をレクチャーいただこう!というのが今回の趣旨です。
ご登場いただくのは
GMT inc.プレスの三浦由貴さん!よろしくお願いしまーす!
「よろしく〜!元気にしてた〜?」
三浦さんは、【上原人物名鑑】のvol.1にご登場いただいた、代々木上原のキーパーソンです。
ざっくりご説明すると
・「Burnish」の立ち上げ、バイヤー兼店長を務め、現在はGMT inc.の名物プレス
・365日中250日以上は代々木上原で飲み歩いている
・釣り部の部長
なのです!
靴の卸をメインに行うGMTが運営しているセレクトショップ「Burnish」は〈トリッカーズ〉〈ジャランスリウァヤ〉〈アイランドスリッパ〉など世界中の靴と、国内外の良質なウェアが揃えてあり、代々木上原の「マイクローゼット」として、地域の人々からも愛されているお店です。
いい風合いのシャツがあるなぁと思って足下をみると、さりげなくトーンが合う靴が置いてあり
逆にこの靴よいなーと眺めていてふと視線を上にあげると、マッチするワンピースやシャツ、スカートがずらり並んでいます。季節に応じて、「靴と洋服のトータルコーディネート」を楽しめるお店なのです。
メンズとレディースの面積配分は50:50(フィフティ・フィフティ)です。デートで訪れた場合も、ふたりとも同じくらい楽しめます。
セレクトショップ、ときくと「店員さんからの視線が気になって買い物に集中できない」「接客が苦手」などという方もいるかとおもいますが
「Burnish」のみなさんはとっても気さくなうえ、洋服売ったる!的な気負いもなく良い距離感で接してくれます。
もうひとつ「代々木上原で働いたり暮らしている特定の誰か」に向けて、服が選ばれているというのが「Burnish」の特徴です。「◯◯さんはきっとこれが好きだ」と、まるでプレゼントを選ぶように買い付けを行うのは三浦さんが心がけていたことですが、現在のバイヤー・スタッフの皆さまにもそのマインドは受け継がれています。
この春履きたい靴、着たい服
今回、「Burnish」のみなさんには「この春履きたい靴、着たい服」でコーディネートを組んでいただきます。よりイメージを固めやすいように、2つのシチュエーションをお伝えしました。
シーン1. 知り合ったばかりの知人の飲み会やホームパーティ(割と大人数)に呼ばれたとき、何を着ていけばいいか。
知っている人は、声をかけてくれた知人ただひとり。あとはみんな初対面、というシチュエーション。あんまり張り切りすぎてもいけないし、オフすぎてもいけない。そんなときです。
メンズは、三浦さんにチョイスしていただきます。
「こういうの、久々やるなぁ…」と楽しげな三浦さん。この日の私服である、グリーンの半袖スウェットが異彩を放っています。
【テーマ1.知り合ったばかりの知人の飲み会やホームパーティ(割と大人数)など絶妙にアウェーな環境へ遊びに行くときの春服:メンズ編】
豚皮のキャップ〈ヤング&オルセン〉¥13,000- / 開襟シャツ〈インディビジュアライズド シャツ〉¥26,000- / (中に着ている)白いカットソー〈ジチピ〉¥4,800- / イージーパンツ〈オーラリー〉¥27,000- / サボサンダル〈ビブリオテック〉¥25,000-
三浦「ここ数年はプレーンな洋服が流行っていましたが、レディースからの流れで、メンズも色や柄を取り入れるのが今年の気分です。ややアウェーな環境に遊びにいく場合の、楽だけど“お邪魔しております”という謙虚さと、あとなんだかんだモテる感じを意識しました」
「ボタンダウンが定番の〈インディビジュアライズドシャツ〉は、ここ数年でバリエーションが増えていて開襟シャツもいろんな柄や生地が出てきました。今回は主張しすぎないけど春らしさを醸し出す色味をチョイスしてます」
「〈オーラリー〉のイージーパンツは、腰回りが楽なのと、Tシャツをインすることですっきりとスマートな印象になります。あらゆるお出かけで活躍するので超おすすめ。中に着ているカットソーはイタリアの老舗〈ジチピ〉というブランドのもので、アメリカでいうところの〈ヘインズ〉的存在。こちらも着心地良いです」
「〈ヤングアンドオルセン〉は、アメリカンヴィンテージをベースにしたアイテムをつくっていて、新品なんだけど古着みたいなシルエットや馴染みの良さがあるブランド。豚皮のキャップは他の革に比べて安価ながらほどよい上品さがありますね」
「サボサンダルは、去年ぐらいからメンズでも徐々に人気が出始めてます。一般受けする靴ではないけど、感度の高いひとは履いてる印象。脱ぎ履きしやすいのと、職種によるけど仕事に履いていけなくもないフォーマルさが魅力。〈ビブリオテック〉は日本人デザイナーの若林さんがイタリアのモンテグラナーロという靴作りで有名な場所で制作している、今イチオシのブランドです」
続いて、【テーマ1.知り合ったばかりの知人の飲み会やホームパーティ(割と大人数)など絶妙にアウェーな環境へ遊びに行くときの春服:レディース編】です。
ショップスタッフの、酒井さんにコーディネートを組んでいただきました。
ストローハット 〈マチュアーハ〉¥36,000- / ワンピース〈オーラリー〉¥33,000- / (肩にかけた)バッグ〈メリメロ〉¥65,000- / サンダル〈ファビオ ルスコーニ〉¥28,000-
酒井「着ていて楽だけど、上品にみえるかな、というコーディネートです。足下は脱ぎ履きしやすいサンダルタイプ。ワンピースは前をあけて羽織ってデニムとあわせる形でもいいし、ちゃんとお洒落してる感があるけど楽なんですよね」
「神戸の帽子ブランド〈マチュアーハ〉はシンプルなデザインのなかにささやかに独自のデザインが効いています。この麦わら帽子はほど良い浅さとリボンが半周だけあしらわれていて、女性らしさを引き立たせてくれます」
「ブリックレッドのワンピースは、メンズでも登場しているブランド〈オーラリー〉のもの。サイドにスリットが入っているので、レギンスとあわせていただいても良いかと思います」
「肩にかけている巾着タイプのバッグは、メイド・イン・イタリーの〈メリメロ〉です」
「肩がけもできるし、紐の長さを調整して手提げとしても使えます」
「女性らしいとんがったデザインのサンダルは、イタリアの〈ファビオルスコーニ〉。ワンピースの色味が強いので抑えめの黒を選びました。ヒールも高くなくて履き心地が楽なうえ、そのままレストランにも行けるような上品さも兼ね備えています」
続いてのシチュエーションはこちら。
シーン2.子どもの入園式・入学式や授業参観、フランクでありながらちょっとちゃんとしなきゃな、というときに何を着たらいい?
今年、子どもが入園した、小学校に行きはじめた、という方もいらっしゃるかと思います。時の流れは早いですね。ここでも、フォーマルとカジュアルをどのバランスで組み合わせるべきか悩ましいところです。
あわよくば、◯◯ちゃんのお父さんかっこいい、お母さん美人、なんてクラスメートに噂されたい。あわよくば!
【シーン2.子どもの入学式や授業参観だったり、ややフォーマルな場に行くときの春服:メンズ編】
ジャケット〈フランク リーダー〉¥78,000- / スタンドカラーシャツ〈インディビジュアライズドシャツ〉¥24,000- / コーデュロイパンツ〈オーラリー〉¥30,000- / レザーシューズ〈ビブリオテック〉¥27,000-
三浦「すこしちゃんとしなきゃいけない、というときのジャケットスタイルですね。今回は靴をベースにコーディネートを組みました。もともとジャズダンスの練習用のシューズとして作られた“ジジ”というモデルの形を〈ビブリオテック〉がイタリア製で復刻したもの。1枚革で、シューレースを通す穴が5つあいただけのシンプルな形状。革靴だけど、限りなくカジュアル。靴にあわせて、フォーマルだけどひとひねり、なアイテムを選んでいます」
「〈フランク リーダー〉はインポートものが年々難しくなっているなかで頭ひとつ抜きん出ているドイツのブランド。第二次世界大戦中に脱走兵の書いた手記が服作りに落とし込まれていたり、服の背景が面白い。今季のテーマはボヘミアンの語源となった、チェコの「ボヘミア」地方。このジャケットもよくよくみるとポケットの配置が変わっていたり腕のボタンがとってあったりします。コットン100%なので、少々ラフに扱えるのもいいですね」
「さきほどに続き〈インディビジュアライズドシャツ〉のスタンドカラー。縦ストライプだときちっと感がでます」
「自分も買って帰りたいくらいモノが良いコーデュロイパンツ。〈オーラリー〉のコーデュロイは良質なコットンが使われている上に、叩き洗いをして肌馴染みの良い風合いを出しています」
「フランスの有名な作曲家・芸術家のセルジュ・ゲンズブールに『僕は一生〈レペット〉の“ジジ”しか履かない』といわしめた名品を、ほぼそのままの形で復刻した〈ビブリオテック〉の革靴。ジャズダンス用のシューズから着想を得てつくられた背景も男子的にはグッとくるし、他の革靴にはない程よい抜け感がたまらんです」
ラストは【シーン2.子どもの入学式や授業参観だったり、ややフォーマルな場に行くときの春服:レディース編】!
ベレー帽〈ミュールバウアー〉¥23,000- / ジャケット〈オーラリー〉¥49,000- / (中に着た)半袖ニット〈オーラリー〉¥20,000- / ネックレス〈カオル〉¥15,000- / ジーンズ〈ヤングアンドオルセン〉¥27,000- / バッグ〈ヴィオラドーロ〉¥32,000- / パンプス〈ファビオルスコーニ〉¥29,000-
酒井「ジャケットでかちっとしつつ、デニムをあわせたカジュアルなスタイルです。デニムは尾崎雄飛さんがデザイナーを務める〈ヤングアンドオルセン〉。50年代のシルエットを採用していて、ハイウエストで着ると女性らしいシルエットがでます。バッグは日本のブランド〈ヴィオラドーロ〉。実は水牛のレザーですべて編み込まれていて、籐(ラタン)の籠バッグよりもきちんと感がでる上にやわらかくて使いやすいです」
「帽子は、オーストリア・ウィーンの〈ミュールバウアー〉。春夏らしい涼しげな素材感のペーパーハット。ベレー帽が今年はよく出ますね」
「ネックレスは〈KAORU〉という京都のジュエリーブランドのもの。中に着ている〈オーラリー〉のニットは生地から独自に開発されていて着心地がすばらしく良いのと、半袖になっていて、暑くなったらジャケットを脱いでもかわいいです」
「靴は、さきほどと同じく〈ファビオルスコーニ〉ですね。フェミニンな女性らしい靴が多いのですが、ヒールの高さがほどよくて履き心地がいいのが特徴。ちゃんとした格好ということでスウェード素材のパンプスを選びました」
最後に、三浦さんがおすすめしてくれた「いま、履きたい靴」をもうひとつご紹介します。
ローファー〈G.H. BASS〉¥18,000~
三浦さんのイチオシは、1876年にアメリカで創業した老舗の靴メーカー〈G.H. BASS〉のローファー。
「スニーカーがいま流行っているけど、時代の流れでいくと、次はローファーなんじゃないかと思っています。〈G.H. BASS〉はマイケル・ジャクソンが愛用していたり、アイビーリーグの学生たちが履いてきたローファーのザ・スタンダード。楽に履けて、使い勝手がいいのでひとつ持っておくと重宝しますよ」
そして、取材中ずっと気になっていたグリーンの半袖スウェットについて聞きました。
「”HOHOHO!”っていう言葉はサンタクロースの笑い声なんだけど、サンタの何かを記念して制作されたらしいヴィンテージの半袖スウェット。サンタクロースのスウェットなのに、半袖というギャップが最高で、それでいて裏起毛。暑いか寒いかわからない、今みたいな時期しか着れないの。やばいよね」
編集部メモ
まことしやかに噂されていた、「OKIDOKI」代々木上原店も先日オープンしたようです。じわじわと上原のアパレルショップ熱が高まっている予感です。ゴールデンウィーク何も予定ないよー、などという方は上原でぶらぶらとショップを巡る1日をつくってみてはいかがでしょうか?
Burnish
【住所】東京都渋谷区西原3-5-4
【TEL】 03-3468-0152
【営業時間】11:00-20:00
【定休日】毎週月曜[月祭日の場合 火曜日定休]
【WEB】http://www.burnish354.com
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