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「仕事の後は風呂とクラフトビールでチルしましょ」 ハイパー銭湯「BathHaus」オーナーroseさん

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-こちらのお店は現在閉店しております-

チル上手になりたくて、ハイパー銭湯「BathHaus」へ!

まもなく平成が終わりますね。昭和に生まれた筆者にとって、平成はまさに、春の夜の夢のごとし…。朝まで仕事したストレスをなかったことにするかのように、飲めや歌えや騒げと大都会の真ん中でひたすらにドンチャンやっていた時代、のような気がします。ところが、働け働けと追い立ててきた平成が最近になって急に、働き方改革だとか、ワークライフバランスだとか、なにやらスマートな生き方を進めてきましたよね。プレミアムキャッシュレスフライデーなんて言葉を聞いた日は変な汗が流れました。

イマドキのワカモノは、好きな仕事をしながらマイペースにチルアウトして、オンもオフもなんだかスマート。人との距離をいい感じにキープしながら軽やかに時代をホッピングしてる感、ありませんか?? 今回は、私だってチル上手になりたくて、代々木上原にあるハイパー銭湯「BathHaus(バスハウス)」にお邪魔してみました。

「BathHaus」の過ごし方は思いのまま

2018年12月にオープンしたこちらは、銭湯とコワーキングスペースとクラフトビールバーが併設され、仕事の後にひとっ風呂浴びておいしいビールが飲める、なんともチル上手になれそうな場所なのです。

代々木上原、バスハウス、BathHaus、銭湯、ワークスペース、クラフトビール

1F受付&バースペース。クラフトビールだけでなく、日本茶やコーヒー、ワインも楽しめるんだって!

代々木上原、バスハウス、BathHaus、銭湯、ワークスペース、クラフトビール

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こだわりの醸造所から仕入れた5タップのおいしいクラフトビールが待ってます。

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お店で提供しているパンはなんとカタネベーカリーのもの!

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お風呂はヒノキとタイルの2タイプ。男湯と女湯は1週間ごとに入れ替わるそう。可愛いイラストは代々木上原ゆかりの白根ゆたんぽさんによるもの。

代々木上原、バスハウス、BathHaus、銭湯、ワークスペース、クラフトビール

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100平米のゆったりワークスペース

ワークスペースは1時間1,000円、1ヶ月20,000円〜、WEEKEND・AFTER 6プランは各20,000円〜と比較的リーズナブルな値段で利用可能。ちなみに銭湯だけでも700円で利用できます。平日はご近所さんやフリーランス、土日は個人のプロジェクトをこなす会社員がなどがフラリと訪れる場所になっているそうです。代々木公園が近いこともあり、ジョギング後の汗を流しに銭湯を利用する人も増えてきているとか。

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ゆったりとした40席のワークスペース。高速wifiはもちろん、キッチン・畳・プリンター完備!

資金集めからスタートしたハイパー店主のroseさん

「BathHaus」のオーナーは株式会社chill&workのroseさん。
2年前、27歳で起業したというハイパー店主のroseさんですが、クラウドファンディング「CAMPFIRE」などを活用し、集めた資金で銭湯をつくってしまった凄腕。いったいどのような経緯で「BathHaus」を開業したのでしょうか?

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roseさんは“ボーイズ・エチケット”をテーマにコンドームやボクサーパンツ、ソックスなどを展開しているブランド<shyboi>も手がけています。

rose:関西の大学を卒業して上京したのが2013年なのですが、IT 系スタートアップを数社経て2017年に起業したんです。それまで、カップルコミュニケーションアプリ「Couples」や動画メディア「DELISH KITCHEN」、「MERY」などの新規事業の立ち上げに関わってきて、ネット上でのコミュニケーションの場をつくってきたのですが、リアルな場としてのコミュニケーションスペースをつくりたいという思いがあったんです。当時、銭湯が好きで週1で「八幡湯」に通っていたのですが、ちょうど友人が高円寺に「アンドビール」というクラフトビールバーをオープンして、「お風呂上がりにクラフトビールが飲める銭湯があったらいいのにな〜」という話をしていたんです。そこで盛り上がって「じゃあつくっちゃおう!」とプロジェクトがスタートしました。ワークスペースも併設し、スタイルに合わせて利用できるような場を目指しました。

なるほど。仕事終わりに銭湯に入ってコーヒー牛乳も最高だけど、おいしいクラフトビールが飲めたらもっと幸せです!2017年の11月末にそんな話で盛り上がったroseさんは資金集めと場所探しを同時にスタートしました。代々木上原という場所を選んだ理由は?

rose:起業した頃にこのあたりに住んでいたこともあって、つくるなら代々木上原エリアがいいなと思っていたんです。都心だけど静かで、住んでいる人の雰囲気も好きなんです。チェーン店ではなく、個人商店が多いことも魅力。みんなオープンで誰でも受け入れてくれる。常連さんじゃなくてもスッと溶け込める雰囲気が代々木上原にはあるんですよね。とはいえ、銭湯にできるような広い物件はなかなか見つからなくて、半年ほど探し続けました。そんな時に、TDMS.INCのペ・ヨンボさんが「こんな物件あるよ」と教えてくださったんです。ちょうどヨンボさんも物件探しをしていたらしく、自分には広すぎるけど銭湯やるにはいいんじゃないかと。

「上原から、世界初のサービスをつくる」TDMS inc. ペ・ヨンボさん

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日本茶の会社だったというビルをリノベーション。上層階は賃貸マンション

代々木上原つながりのご縁で巡り合った物件はなんと200平米。スケルトン状態の物件に銭湯をつくるには、大掛かりな防水工事と設備工事が発生する。内装や設備費用など、運転資金には数千万円の資金が必要でした。それでもこの場所でやりたいという一心でroseさんは資金集めにエネルギーを注ぎます。

自力で開業資金4,000万円を調達

rose:個人の投資家の方や銀行、政策金融公庫などに融資をお願いして4,000万円を調達しました。資金調達の経験があったわけではないので、すべて手探りです。わからないことはググりながら…(笑)。クラウドファンディングはそのあと、プロモーションも兼ねてスタートしました。もしそこで集まらなくても開業できるめどはついていたのですが、結果的に376万円を集めることができました。まったく知らない方がたくさん応援してくださって驚きました。本当に感謝しています。

ううむ、それにしても構想から1年でこの規模のスペースをつくりあげるなんてすごい!設計以外のインテリアや内装デザインのディレクションもすべてroseさん自身が手がけているといいます。オシャレな名刺も自分でデザインしたというし、そのあふれる才能が眩しすぎます!

rose:こだわりが強いんですよね(笑)。好きなことしかやりたくないし、居心地がいいと感じてもらえる空間にするために、細部までこだわったインテリアで満たしたい。訪れる人がそれぞれ心地よい気分に浸ってもらえるような空間をつくりたかったんです。

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インテリアや内装もroseさんディレクション

“リアルな世界”のコミュニティに憧れて

そんなハイパー店主のroseさん、銭湯をつくりたいと思ったのはもうすこし深い理由がありました。roseさんが生まれ育ったのは大阪のベッドタウン。商店街はシャッター街と化し、隣に誰が住んでいるかも分からない、近所づきあいのない町で学生時代を過ごしました。

rose:家族も仲良くなかったし、近所に友達もいなかったんです。ずっとどこかに寂しい気持ちがあって、人同士のつながりを求めて、小学6年生頃からインターネットの世界に没頭しました。HTMLやCSSといった言語にハマって、自分でホームページをつくり始めました。中学生の頃は日記や掲示板などのテキストコミュニケーションをメインにしたサイトを立ち上げ、コーディングまで自分でやっていましたね。

小学生から!? すでにサイバー女子だったのですね。

rose:就職先もIT企業だし、好きなんですね(笑)。ネット上でのコミュニティにも魅力を感じていたのですが、リアルな世界でのコミュニティにずっと憧れていたんです。ドラマの「渡る世間は鬼ばかり」のような世界って本当にあるのかなって(笑)。高校も進学校で国立大に入って、このままいい会社に入って大人になっていくんだろうなって思っていたのですが、大学時代に1年留学したポーランドでガラリと新しい世界に出会えたんです。誰もが周りの目を気にせず発言できて、それを認め合えて、電車で道端で知らない人同士が挨拶したり、パブのおじさんとフランクに話したり…。ヨーロッパの人たちはみんな自分のライフスタイルをすごく大切にしていて、そういう感覚を自分も大事にしたいなと思ったんです。

留学経験で、価値観が大きく変わったというroseさん。ポーランドを選んだ理由は?

rose:大学で社会学を学んでいたので、旧ソ連圏が資本主義になって、人々の意識がどう変化しているのかが知りたくて、好奇心からでした。日本は島国だから、隣に言語も文化も異なる地域があるヨーロッパ、なおかつ英語圏でもない想像のつかない場所に行ってみたいという気持ちが大きかったんです。

おお〜、留学動機もインテリジェントですね!でもポーランドには銭湯はありませんよね?

rose:ドイツやハンガリーにはスパ・サウナはありましたが、日本の銭湯ってやっぱり独特な文化ですよね。銭湯は昔から日本における庶民の社交場だったんです。東京はどの町にも銭湯が多く、港区のような都心にもあることに驚きました。実際に立ち寄ってみると、東京の冷たい印象とは正反対の温かいコミュニケーションが存在していました。服を着ているときよりも、オープンでフランクな銭湯という不思議な場に惹かれたのだと思います。

電車に乗ればみんな無口で目も合わさない。隣にどんな人が住んでいるかも知らない。平成が終わろうとしていても、まだまだこの国は閉鎖的な部分がある。人と人が自然につながれる場所をつくりたいという想いで「BathHaus」を開業したけれど、今後もチルアウトをコンセプトに場づくりを続けていきたいとroseさんは語ります。

rose:たとえば暖かい地域なら仕事場とプールとか、働く場所に合わせたリラックス方法を考えたいですね。国内外こだわらず、chill&workというコンセプトでコミュニティの場をこれからも生み出していきたいと思っています。

代々木上原、バスハウス、BathHaus、銭湯、ワークスペース、クラフトビール

取材の後、可愛いオリジナルステッカーを購入しようと1,000円札を渡すと「あ、すみませんNO CASHなんです」とroseさん。「カードは使えません」と言われたことはあったけど、まさかNO CASHとは!!

ステッカーも銭湯もカードでピッ。何から何までスマートです。憧れのプレミアムキャッシュレスフライデーに一歩近づけた気がしつつ、平成の終わりは現金の終わりなのかもしれないな〜なんて。

さあて、ひとっ風呂浴びよっと!

ハイパー銭湯「BathHaus」(2022年12月30日閉店)
住所:東京都渋谷区西原1-50-8 1F・B1F
営業時間:1F銭湯、バー/9:00〜22:00(月〜金)、9:00〜20:00(日・祝)
B1Fコワーキングスペース/9:00〜23:00(毎日)「※2020年2月より地下のコワーキングスペースは廃止されました。」
年中無休 NO CASH
https://bathhaus.club/

 

 

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