町会って、どんな活動をしているの?
日々生活をしているなかで、身近な事柄ほど、知っているようで知らないことってたくさんあります。
例えば、町会や自治会。実家で暮らしていた頃は、回覧板まわしてたなーとか、集会場でたまに催しがあったかもとか、うっすら記憶がある方もいるかもしれません。
ところが、進学や就職で上京すると、なかなか「地域」の動きに関わる機会って少なくなります。
そこで!「上原出張所の活用法」に続き、上原に暮らす方々向けの記事第2弾として「渋谷区上原1丁目町会」の町会長さんにインタビューを敢行。
素朴な質問・疑問に答えていただきました。
お話をきかせてくださったのは、上原1丁目町会長の仲西まり子さん(写真真ん中)。町会長さん、厳しい雷親父さんみたいな方だったらどうしよう、、とドキマギしていたところ、明るく優しい、快活な仲西さんが現れ取材陣一同胸をなでおろしました。仲西さんは町会長になる前は外資系企業に勤務しており、町会長歴は4年。ひとりで写真にうつるのは恥ずかしいからと、地域交流センター上原の職員さんと3ショットでご登場いただきました。
<目次>
Q1.町会って、何をしている組織なの?
Q2.町会長さんの役割とは?
Q3.町会に入るには?
Q4.町会に入ることで、どんないいことがあるの?
Q5.町会の課題とは?
Q1.町会って、何をしている組織なの?
ーすごく初歩的なところからで恐縮なのですが、「町会」ってそもそも何をしている組織なのでしょうか?
「各地域ごとにさまざまですが、住民同士で運営する、任意団体ですね。防災訓練などのもしものときのための取り組みや、清掃活動、親睦を深める催しを企画・実施しています。
区から依頼を受けておこなうものもあれば、自主的に企画するもの、商店会など関連した組織のサポートを行ったりもしています」
夏休みなどに行われるラジオ体操の運営も、町内会など自治体が行うところが多い。
Q2.町会長さんの役割とは?
ー町会長さんは、日々どのようなことをなさっているのでしょうか?
「実は、けっこう忙しいんですよ。
ざっと挙げると、
- 会議への出席(渋谷区全体のもの / 区内で行われるもの /活動ごとに多数)
- 幼稚園 / 小中学校/ シニアクラブなど行事(入学式や卒業式から定期的な会合など)への出席
- 防災訓練 / 清掃活動 / その他行事の実施、運営
- 区からの配布物の仕分け
- まちなかで電灯がきれている、など報告があれば区に電話して、取り替えの要請を行ったり
などなどですね」
ー思い返すと学校の行事でも「来賓」で町会長さんいらしてましたね。電灯に関するこまやかなことまで、やることがたくさん…!
「私も実際に町会長になってから、こんな量をみなさんこなしているのかと驚きました(笑)。会議やイベントごとの準備も含めると、月に2日くらいしか、町会関連の業務でなにも無い日はないですね」
ー上原のなかでも特に1丁目は、仲西さんのおかげで活動が活発だと伺いました。
「町会長がご高齢で活動が難しい、というところは周囲がサポートをしたり、地域や町会ごとにどのくらい活動をしているかは大きく差があるようです」
ー町会が活発に動いているところとそうでない地域では、暮らしている人々としても何か差がでてくるのでしょうか?
「ちがってきますよ、と言い切りたいところですが、催しなどをやっていても参加いただけない限りはその差を感じにくいかもしれません」
Q3.町内会に入ることで、どんないいことがあるの?
今回最も気になっていた、「町会に参加する、関わることでどんなメリットがあるのでしょうか?」という質問に、中西さんは下記のように答えてくれました。
1.近所のひとびととのつながりが生まれる
「最大のポイントは、近所に暮らしている人々と知り合えることではないかと思います。私自身も、生まれてからずーっとこのまちに住んでいるにもかかわらず、町会長になるまではご近所にどのような方が暮らしているか、ほとんどといって良いほど知りませんでした。朝はやく電車に乗って職場へ行って、夜帰ってくる生活だと案外、地域の人々の関わりって薄いものなんですよね」
「顔見知りになっているだけでも、何かあったときに声をかけあうことができます。お互いの日常がわかっていれば、例えばお子さんが見知らぬひとと歩いていたら”あれ、なんだかいつもと違うぞ”と気づくことができたり。共働きだと地域の取り組みに参加する時間もなかなかとれないとおもいますが、人のつながりは、町会が提供できる最大のメリットだとおもいます」
2.(イベントを実施している自治体だと)あたらしい体験ができる
「防災訓練や清掃活動のほかにも、親睦のためのイベントも企画・実施しています。例えば最近だと、ここの4階に集まってみんなで「寄せ植え」を体験するワークショップを開いたり。先生を呼んで、必要なものはすべて準備していただいて。植えたプランターはそれぞれ参加者に持ち帰っていただける、というものです。これまで町会の催しに参加したことがなかった方も、興味があるものからご参加いただけると良いかと思います」
渋谷区「おとなりサンデー」の一環で開催された「子どもテーブル」のクッキーづくり体験は、定員の倍以上の申込みがあったのだとか。
3.法人も加入することができ、まちの人々と関わるきっかけが生まれる
「町会には、法人も加入することができます。先日、在宅医療を専門にした医療法人の方々があたらしく転入して町会に入っていただけたので、地域の方々へのご紹介も兼ねて、7月にイベントを企画しています。在宅医療は住民の方々にとっても関心が高いテーマでもあるので、在宅医療とふつうの病院はどうちがうのか、といったことをレクチャーいただくような場にできればと考えています」
こちらは仲西さん発信の企画で、単に新しい会社が転入してきました、ではなく、そこが持つスキルを活かして「イベント化」することで自然と町の人々への認知につながるというもの。
Q4.町会に入るには?
ー町会って、引っ越してくると自動的に加入しているわけではないのでしょうか?
「区役所や出張所に転入届などを出したタイミングで、町会加入の案内をお配りしています。そちらを見過ごしてしまった場合も、出張所に行っていただければ手続きを行い加入することができます」
ー会費などもかかりますよね?
「会費は、地域や会ごとに定められているのですが、上原1丁目町会は年間1200円です」
ーや、安い!年間ということはひと月で割ると100円ですね。
「いまどき、ひと月100円集めて何ができるの、ってよく言われますが(笑)。そこはもう節約しつつ、やりくりしています」
Q5.町会の課題とは?
ー町会の情報はネット上でみれたりするのでしょうか?
「町会の課題のひとつなのですが、イベントごとなどのお知らせをするツールはまちなかにある掲示板と、加入いただいているお宅にまわす回覧板だけなんです。ホームページをつくろうという話もありますが、手間がかかってしまうことがあって実現には至っていなくて。そういった部分もなかなか若い方に馴染みがない理由のひとつなのかなとおもいます」
お隣の富ヶ谷町会では、ホームページで催し物などのイベント情報を掲載・発信している。自治体でこのような情報発信を行えているところは希少なのだとか
『ACT LOCALLY YOYOGIUEHARA』でもたとえば町会に関する催しを情報を発信したり(年間イベントカレンダーを貼っておくなど)、といった提携・連携できると良さそう、などと前向きなお話もあり有意義なひとときとなりました。仲西さん、お忙しいなか貴重なお話をありがとうございました!
お話を伺った場所:
渋谷区地域交流センター上原(上原区民施設3-4F)
住所:東京都渋谷区上原 1-18-6 (郵便番号:151-0064)
電話:03-3467-2551
FAX:03-3466-0440
交通:小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原駅」東口6分
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