日々の積み重ねが生んだ、極上のパテ・ド・カンパーニュ
「あのお店の『アレ』」があるから、代々木上原に行きたい、暮らしたい!と思える名物をピンポイントでご紹介する連載企画第18回。
今回は、wasabi店主・窪園さんのおすすめで、「サンフォコン」の「パテ・ド・カンパーニュ」をご紹介します。
幡ヶ谷から移転してきたフレンチ・ビストロ「サンフォコン」は何を食べてもおいしくて、特に「パテ・ド・カンパーニュ」が絶品でした。これまで食べたパテ・ド・カンパーニュのなかでいちばんかも、というくらい美味しかったです。 ーwasabi 店主 窪園さん
料理が美味しすぎることで著名なwasabi・窪園さん(料理人であり美食家)が絶賛するパテ・ド・カンパーニュ、めちゃくちゃ気になります!というわけで
代々木上原駅北口からすぐ、駅前通りにある「サンフォコン」にやってきました。GMTのショールームとBurnishの間に位置しており、黒くてマットな外観、ずらりと並ぶワインが目印です。(MAP)
フレンチのなかでも、特にシャルキュトリーやジビエ料理などお肉をメインに扱う「サンフォコン」は、6年前に幡ヶ谷でオープン。今年のはじめ頃に、上原に移転してきました。看板メニューのパテ・ド・カンパーニュは、開店からアップデートを繰り返し、現在のものは14代目なのだそうです。
理想のパテ・ド・カンパーニュを追求し続けてたどり着いた配合と製法。
そもそもパテ・ド・カンパーニュとは、直訳すると「田舎風パテ」の意味。フランスでシャルキュトリーと称される、お肉を使った加工食品の代表的メニューで、豚肉などをメインにミンチ状にしたお肉とレバーペーストを型に入れて焼き上げたもの。つくる人によって配合なども自由度が高いため、お店の個性が強く反映されるメニューです。
「サンフォコン」オーナーシェフ・千葉貴大さんは開店当初から理想のパテ・ド・カンパーニュを追い求め続け、日々研究と改良を重ね現在14代目。お肉の配合や製法を大きく変えると代数を変えるそうですが、いまの配合は3年ほど前にたどり着いた、現状での理想のパテ・ド・カンパーニュなのだそうです。
食感と旨味、ペッパーの香り。とろける脂の豊かな余韻。
14代目パテ・ド・カンパーニュの特徴は、ゴロゴロと大きめに入ったカットした豚の背脂とまるごと入ったペッパーの食感。主に豚の首のお肉と肩肉、鶏のレバーを配合してつくられており、まろやかなレバーの舌触りのなかにプチプチとした脂の食感、ペッパーのさわやかな香り、じんわりとろける脂の旨味が口の中にひろがります。これはシャルキュトリー全般にいえることですが、こちらをいただくと、ワインを飲まずにはいられません。
おいしさのために、惜しまぬひと手間。
パテのおいしさは原料の配合のみならず、仕込みにおけるひとつひとつの工程でも左右されます。お肉の練り方、寝かせる時間、焼き上げる温度etc…。たとえば「サンフォコン」では、テリーヌ(テラコッタ製の器)に練り込んだ原料を入れる際、通常だと網脂(網のようになった豚の脂)を一気に敷くところ、薄く切った背脂をひとつずつ形をそろえて敷いているそうです。より手間がかかる手法なのだそうですが、網脂は溶けにくい脂のため口に入れたときに残ってしまう反面、背脂だと生ハムのようにおいしくとろけるパテ・ド・カンパーニュに仕上がるというわけです。
「サンフォコン」オーナーシェフの千葉さん。お店のFacebookページで穴熊などをワイルドに調理していて、さぞかし山男のような方なのではないか、、と思いきやwasabiの窪園さん同様、爽やかさがほとばしっていて天は二物を与えるものなのだと実感いたしました。地元は青森で、八戸の工場勤務を経て飲食未経験から白金台のフレンチレストランで働き始め、めきめきと頭角を現し、その後虎ノ門の「サラマンジェ(現在は銀座に移転)」、フランス留学を経て独立に至ったそうです。
一時期、イタリアンに転向するも「仕込みがないことがつまらなくおもえてしまい」フレンチにふたたびカムバック。特に「仕込み」が活きるシャルキュトリーは、もはや趣味みたいなもの、といえるほどのめり込んでいるのだとか。
<その他の名物メニューや、店内の様子>
子羊を低温でグリルしたものに、フランス西部の食文化からインスピレーションを得たあさりのソースをあわせた逸品。
豚の血と内臓を使った伝統的なソーセージの一種、ブーダンノワールに焼きリンゴのタルト(タルトタタン)とパイ生地を添えたオリジナルメニュー。
店内はこのように、広々としたカウンターがメインで
奥にはテーブル席もあります。
ワインは主にフランスの「とにかく美味しいもの」をソムリエが厳選。駅からすごく近いので、ワイン1杯をふらりと飲みに訪れる使い方もおすすめです。
シャンパーニュや白ワインもキンキンに冷えています。
「サンフォコン」では、コースとアラカルトのいいとこ取り的なポイントシステムを導入。組み合わせてコースのように楽しむこともできるし、単品でのオーダーも可能です。オーダー数が増えるほど、1品ごとの価格が割安になる仕組みです。
Saint FAUCON(サンフォコン)
【住所】〒151-0066東京都渋谷区西原3-5-3 小林ビル1F【代々木上原駅 北口2 目の前】
【TEL】070-4383-3567(電話受付時間12時〜24時)
【営業時間】平日18h00-24h00(L.O.23h00) 土日14h00-21h00(L.O.20h00)
【定休日】月曜日 第1、第3日曜日
【WEB】https://saint-faucon.jimdo.com
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