印刷会社が手がけるオリジナルノート
「あのお店の『アレ』」があるから、代々木上原に行きたい、暮らしたい!と思える名物をご紹介する連載企画第12回。
今回は、「ハイナインノート」でつくる「オリジナルノート」の魅力に迫ります。
印刷会社「ハイナイン」の一角に佇む「ハイナインノート」。
お店のロケーションは、富ヶ谷交差点のすぐ近く、井の頭通りから「水道通り商店街」に入ってすぐのところ。前回ご紹介した「煮込みとお惣菜スタンド ウエトミ」と同じ通りになります。(Google Map)
印刷会社「ハイナイン」のスタッフであり「ハイナインノート」の店長を務める飯田さんにお話をききました。
紙を使って、子どもからお年寄りまで楽しめるものを
ブランドやメーカーのカタログ、チラシ、名刺やカードなど、紙を用いたあらゆる制作物を手がける印刷会社「ハイナイン」。「紙を選ぶ楽しさ、使うたのしさをもっと多くの人々に体感してほしい」という思いから、1冊からオリジナルノートをつくることができる「ハイナインノート」の立ち上げに至ったそうです。
組み合わせの数は10万通り以上。価格は1冊800円〜
表紙は40種類以上、本文の紙の種類は6種類、リング製本かテープ製本を選べて、ゴムバンドや丸タックをつけれたり、封筒をつけれたり、作成できるノートのバリエーションは総計10万通り以上!
10万通りなんて、選択肢が無限すぎて選べない!という方のために、実際にノートを1冊つくる過程をレポートします。
わかりやすいオーダーシート
こちらのオーダーシートに、1項目ずつ記載していきます。選ぶ順番や選択肢が1枚の紙になっており大変わかりやすいです。
飯田さん曰く「10分くらいで全項目決める方もいますし、1時間半くらいかけて考える方もいます」とのこと。1つ1つにこだわって悩むのも楽しい作業。それぞれのペースで進めてOKです。文房具やノートが好き!という方は時間に余裕をもって訪れると良いでしょう。
B5かB6か、または変形サイズか
基本サイズはB5とB6。裁断によるサイズ調整もできるため、正方形にしたり、A5やA6サイズにすることも可能です。B6を2つに割って、ポケットに収まるB7サイズを2冊つくることもできます。
リング製本 or テープ製本
綴じ方はリングかテープの2択で、リングは17種類、テープは8種類から選ぶことができます。すべての工程で、見本の現物をみることができるので、実際に手にとって、選んでいくと良いです。
リングかテープどちらにするかは完全に「好み」なのですが、リングに関しては
留めるリングを上下両端ずつにすることで
真ん中のところにも手がおけるようになる、というカスタマイズもできます。書くときにリングが邪魔、というリングノートのデメリットを半減させてくれます。
飯田さんがよく自分用につくるのは、リングを横どめして、ノートパッド的に、縦に使えるノートとのこと。これだとリングのストレスはゼロですね。
紙のプロが厳選した表紙が40種類以上
続いて、ノートの印象を決定づける表紙です。バリエーションは40種類以上。いろいろあるといっても、紙のちがいはそんなに大差ないだろうと思うじゃないですか。
見本帖をめくると、皮のような質感の紙や、スナックの椅子みたいなベルベット的な紙など次々と見たことのない紙が出現し「本当にこれが紙で出来てるんですか!」と驚きの連続でした。さまざまな色がある上に、質感や厚さもゴマンとあるパターンのなかから選びぬかれた40種類なのです。
この紙は何ですか!と飯田さんにきくと「これは、宝石箱を覆うのに使われます」とか「質感が良いだけでなく、耐久性もあって、折り曲げても破れにくいという特徴があります」などなど、紙のプロフェッショナルならではのコメントもいただけたりして、すべての紙について質問したい気持ちに駆られました。
紙だけでなく、レザーの表紙も選べます。(B5 ¥1,500 / B6 ¥900)
レザーは全8色。両面にした場合はB5だとあわせて¥3,000とやや値が張りますが、ページを使い切ったら、中面のみ交換することもできるため、長く使えるとおもえば安いですよね。
表紙と裏表紙を選ぶ際のポイントとしては、どちらかを厚めの紙にしておくと、しっかりめのノートになるし、どちらも薄めだと、やわらかいノートになるそうです。
両面ともやわらかい表紙を選んだけど、立ったままノートにメモをとるよ、という方などはオプションで表紙の一枚内側に厚紙をいれると下敷きのような役割を果たしてくれます。
無地・罫線・方眼の3パターン× 6種類の紙
本文の紙は6種類。それぞれ、無地・罫線・方眼から選べます。
6種類の紙もかなり厳選されたものでして、特色がありつつノートに最適なラインナップになっています。
それぞれ大まかにですが、説明をいただきました。
①しらおい
「6種類のなかでいちばんつるっとした紙で、ボールペンの走りも良く、とてもさらさらとした書き心地の紙です」
②ライトクリーム
「すこし黄みがかっておりやさしい雰囲気のある紙です。しらおいと同じく上質紙といわれるもので書き心地もいいです」
③モンテルキア
「6種類のなかでいちばん白みが強い紙で、マジックや濃いインクでも裏写りしにくいため、万年筆を愛用されている方に特に好まれます」
④タブロ
「その名の通りタブロイド誌をイメージした紙で、6種類のなかで最も厚いタイプになります。鉛筆などで、イラストやスケッチを描くのに適しています」
⑤クラフト
「いわゆる梱包紙として使われる紙です。丈夫なので、スクラップブックなどにオススメしてます」
⑥アドニスラフ ホワイト
「タブロと同様すこしざらつきがありつつ、やわらかい質感の白が特徴。お子さんの落書き帳などによく選ばれます」
本文の紙は、実際に試し書きができます。
いざ試し書きしてみると、選びぬかれた紙たちなので「どれもすごく書きやすい」という嬉しい悩みが生じます。愛用しているペンなど持参して相性を確かめると、より「この紙でいこう」と決断の助けになるかと思います。
本文はパック売りになっており、最大4パックまで選ぶことができます。1パック14~20枚入りなので、すべていれると160ページほどになります。パックごとに紙の種類だけでなくサイズも変更可能でB5のなかにB6をいれたり、B5を裁断したものを2つ横にしてくっつけるということもできます。
そこまで選びましたら、残りはオプションのゴムバンドや丸タックをチョイス。ゴムバンドは22種類あって、1つのノートに2本つけることもできます。
既製品のノートではあまりみられない丸タック。ゴムに比べると、ノートの開閉に少し手間がかかるのですが、人に開かれたくない、日記帳などにはうってつけです。丸タックは15種類から選べて、留め具は金と銀の2種類。
最後に、アルファベットや数字を10文字まで箔押しまでできてしまいます。
フォントは、「ハイナインノート」のために作られたオリジナルフォント。
ひととおり希望を伝えましたら、あとはスタッフの方が製本作業を行ってくれます。
またたく間に完成です(製本の所要時間は5~10分ほど)。自分の場合は用途を定めないと一生迷ってしまう気がしたので、今回は日記帳をイメージして作成してみました。中面の紙は、「どの紙がもっとも日記を書きたくなるか」は実際に使わないとわからないと思いましたので、4種類が約20ページずつ入っています。
表紙は、独特の手触りと、紙だけど革のような質感・色味の「コルドバ」。裏表紙は、膝の上や手持ちでも書けるよう、厚紙にしました。
リングはカスタマイズで両端だけとめています。向かって右上と右下のカドは丸くなるよう裁断してもらっています。丸タックをつけたり箔押しを行うなどわりとフルパッケージで、合計¥2,250(税抜)。
<その他:店内の様子>
さまざまな表紙や、中面の紙を収納している棚があったり
ノートを閉じるための道具や糸・留め具などが並んでおり、文房具・道具フェチはわりと店内を見渡すだけでもテンションがブチあがります。
ゴンズことマーク・ゴンザレスのイラストを使用した表紙も数量限定で使用可能。このような企画や、LOFTでのPOP UP SHOPなどもたびたび開催しているので、最新情報はInstagramやTwitter をぜひチェックしてみてください。
編集後記
あたらしいノートを買うと、あたらしい自分がはじまる気がして、いいノートを見かけるたびに買い足すなどして家に何冊もノートがある…といったノート好きにとっては何時間でも居られるし何冊もつくりたくなる天国のような場所でした。次は何のノートをつくろうかな…。
ハイナインノート
【住所】〒151-0064 東京都渋谷区上原1-3-5 SK 代々木ビル 1F HININE Inc. 内(Google Map)
【電話】03-6407-0819
【営業時間】平日 13:00-20:00 休日祝日 13:00-19:00 ※ラストオーダーClose30分前
【定休日】火曜日
【WEB】http://hininenote.jp
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